積み上げ遊びとはじめての物理:くずれるタワーが教えてくれること

積み上げて、たおす。3歳の子がいる家なら、このくり返しを何千回も見てきたはずです。そして、大事なのは積むほうなのか、こわすほうなのか、と思ったことがあるかもしれません。答えはどちらも。そしてそこから学んでいる物理は、見た目よりずっと高度なものです。

幼児がもう知っている物理

学校に行くずっと前から、何ひとつ教わらなくても、子どもは次のようなことについて、ちゃんと使える理論を組み立てています。

子どもはこれを、ことばでは言えません。でも、やっています。ブロックを1つずつ少しずつ調整し、ぐらぐらを見つめ、どこでやめるかを決める。発達心理学では「直感的な物理」と呼ばれ、積み上げ遊びは、それを日常の中で試せる最高の実験室のひとつです。

くずれることが大切な理由

たおすのは、子どもが作品をだいなしにしているのではありません。実験の結果なのです。ずっと立っているタワーからは何も学べません。たおれたタワーは、限界がどこにあったかをはっきり教えてくれます。作って、失敗して、また作る。それが、何なら支えられるかについての自分の考えを、子どもが確かめる方法です。大人が作ってあげたタワーでは、発見することが少なくなってしまいます。

ママ・パパにできるコツは、くずれる瞬間を明るく保つこと。涙で終わるくずれ方は「ぼくは失敗した」を教えます。笑いで終わるくずれ方は「高すぎるとこうなるんだね、もう1回やろう」を教えます。

Stack It Upのしくみ

Stack It Upは、タップ1つのタイミングゲームです。クレーンからブロックがゆれていて、タップすると落ちます。まっすぐのせればタワーが高くなり、中心からずれるとタワーがかたむきます。かたむきすぎると、全部ガラガラとくずれます。

幼児のために、3つの工夫をしています。

  1. 観客。 下に並んだ絵文字の観客が、うまく落ちると歓声を上げ、ずれると息をのみます。タワーがくずれると、みんなで「あっ!」と声をあげて、それが悲しいのではなくおかしいのです。くずれる瞬間こそがショーです。
  2. 目に見える物理。 ブロックが中心からずれてのると、タワーは目に見えてかたむき、危なくなるとやわらかな警告の光が出ます。子どもは、たおれる前にかたむきを読みとれるようになっていきます。
  3. ぴったりのせると、ピタッとはまる。 まん中にぴったり落としたブロックは、チャイムとともにカチッとはまります。3回続けると、観客がウェーブをします。待つことがほめられるしくみで、それこそが本当に身につけたい力です。

点数はブロックの数だけ。いちばん多かった数は端末に記録されるので、子どもはきょうだいとではなく、自分の記録と競います。

声をかけてみましょう

物理はゲームがやってくれるので、ことばはママ・パパの担当です。記憶に残りやすい声かけをいくつか。

本物の積み木も

このゲームは、床に広げた木の積み木の箱の代わりにはなりませんし、なろうともしていません。本物の積み木は、重さや手ざわり、どの方向にもくずれうる立体のタワーの問題を教えてくれます。ゲームはパズルの一部分、タイミングと重心だけを取り出して、片づけなしで10分間に100回練習できるようにしたものです。両方やってみてください。

次のステップ

Stack It Upが大好きな子は、次にBalloon Floatも大好きになることが多いです。同じタップ1つのタイミングゲームですが、今度は自分が動かしているものが動いていて、障害物のほうがやってきます。

参考文献

ほかのガイド